2015年

今年は「Negative Safety」

 今年の漢字は「安」だそうだが、テロ、難民、安保法案、沖縄基地問題、そして調布飛行場では墜落事故があり、大利根飛行場では飛行機が水没するという稀な事態も発生し、不安がいっぱい。 だから勝手に航空用語っぽく「Negative Safety」とした。

 航空や宇宙産業はこれまで戦争や冷戦のおかげで著しい発展を遂げてきたわけで、最近でも戦闘機が他国の爆撃機を撃墜したのと、航空機には何かと争い事がついまとう。 さらには、ゲーム感覚の遠隔操作で爆撃を行なう血の通わないドローンまで登場。パイロットからは見えにくかった地上の人々がますます「他人ごと」となっていく。

 戦後70年経っても、沖縄のやんばるの森には米軍ヘリパッドが次々と増設され、オスプレイが飛び回る。 オスプレイ

 人はなぜ戦いたがるのか? 私には「ここはオレの陣地だから入るなよ」と言い合う子供たちの姿が国に重なって見えるのだが。。。 やはり好きな航空機には、不幸でなく幸せを運んでほしいと願うようになった一年である。

                                         ポッポ

 

こっちの世界とあっちの世界

あっち空は? こっちの世界とは、パイロット勤めをしない世界。 あっちの世界とはそれをする世界で、今 私はこっち側にいる。 二つの世界は同時に存在するのにまるで違う。

 この13年ほど、あれこれ負荷がかかり過ぎ、時々LOW VOLT.のアナンシエーションが点灯していたが、いよいよディスチャージが大きくなり、頼りのバッテリーは劣化、とうとう交換時期になったのと、 今の私はほぼ同じ。

 とは言え、あっちの世界にいては手の回らなかったお金にならない仕事がいくらでもあるので、今も暇にはならない。 大ざっぱだが、20代はあっち、30代はこっち、40代はあっち、50代を少し過ぎてまたこっちと行き来を繰り返す人生だったが、いつもフルパワーで飛ばしてきたので、ここらで少し考えよう。 男並みにと頑張った男女雇用均等法世代は、「女性が輝ける社会」というもので「男社会からの脱却」をするのだろうか?

 あれこれ考えていると、この日本には世界最高齢の現役プロ・パイロットが活躍してられるが、ひょっとしてこの私は世界最小(身長150㎝)のプロ・パイロットだったのかしら!?と思い至り、分厚いクッションとともに飛んだ日々が妙に愛おしくなるのだ

レッドスバルフォーメーション離陸

 
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 去る5月24日、陸上自衛隊北宇都宮駐屯地開設42周年記念行事にて、FA200の地上展示を行いました。 コックピットへの体験搭乗は子供たちに大人気でした。離陸の様子はYouTubeからご覧ください。DECO
http://youtu.be/9TqhmjJP30A

 

その警報が危ない!?

 G1000というコンピューター計器ののセスナ172S型では、デジタル化した計器パネルの見た目にも戸惑うが、一番厄介なのは警報システムではないだろうか。

 今までは自分の目で外を見張り、無線でのアドバイスを聞き、機内の計器を見守っていたのだが、新型コンピューターは文字やマーク、色の表示、声や注意音で、それはそれは親切に知らせてくれる。 「他の航空機が近くにいる」 「地面が近い」 「管制圏の中にいる」とか、あれが調子悪い、これが壊れたと、ひっきりなしに何か点滅し、音声などが聞こえてくる。 因みに全部英語で、女性の声か男性の声かお好みで選べるようになっている。

 あまりに数も種類も多く、見たこともないものが出てくると「何だっけ?」となるので、アナンシエーション・警報表まであるのだが、飛行中に表から探すのがまた大変過ぎる。 便利な時もあるが、余計なお世話と感じることの方が多く、以前に比べて操縦や見張りに専念できる時警報に注意間が削がれているように思う。

 先日の訓練で警報システムを体験してもらったが、まあ、操縦のアドバイスをする私の声に、コンピューターの声が被さってきて、もうグダグダだった。 その声があまりに大きいのでもう少し小さくできないか尋ねたところ、社内で簡単に設定が変えられないそうだ。

 これからもG1000との戦いは つ・づ・く。。。か

            ポッポ

 

 

強い心♡を手に入れよう✨

何を怖れる 皆さんはどんな元旦をお迎えだろうか? 私はカメを膝に乗せ、こたつに入って、音楽聞きながらパソコンに向かっている。 正月を祝い、何とか働ける健康もあり、今年も言いたいことを言い、やりたいことをしようと思うのだが、なんと平和で自由であることか・・・。 でも、今この当たり前の生活は、勇気ある先人のおかげであると思えてならない。

 本と映画『何を怖れる』は、「こんなの嫌だ」という自分の心の違和感と とことん向き合い、「NO」を発したチャーミングな12人の女性たちの記録であり、現在の声である。 幼い頃から現実と本質を直視することを阻む教育受け、家庭でも社会でも「いい子」であり続けようとする私たちは皆、怖れを抱えて生きている、と監督は言う。 そう、怖れる「いい子」は「NO」を言えない。

 私たちのモヤモヤを、彼女たちは言葉にして教えてくれる。何を怖れる(映画) よーく考えることができるようになると、この世が、そして自分が一体何なのかが見えてくる。 毎日ドタバタのシングルマザーも、バリバリのキャリアウーマンも、クタクタのお父さんも、遊ぶのに忙しい若者も、行くところのないお年寄りも、そこそこ幸せなあなたにも ぜひ読んで見てほしい。

                       ポッポ

公式HP  http://feminism-documentary.com/

 東京・渋谷シネパレス 2015年1月17日から3週間(上映予定)
 神奈川・横浜シネマリン 2015年2月7日から2週間(上映予定)