2017年

ドキュメンタリー映画「地球交響曲第3番」

地球交響曲 少し前になるが、あるグループで「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第3番」の上映会を行なった。 

 ガイアシンフォニーとは、イギリスの生物物理学者ジェームズ・ラブロック博士の唱える「地球はそれ自体がひとつの生命体である」というガイア理論に勇気づけられた龍村仁監督によって制作されたオムニバス映画シリーズで、1992年公開から「第八番」まで、草の根の自主上映を中心とした上映活動だけで、かつてないロングランヒット作となっている・・・そうだ。(http://gaiasymphony.com/)

 第三番はこの映画の撮影を始める前に亡くなったアラスカのカメラマンの星野道夫氏を中心に、大自然の中に生きる人々を追う。 私も星野さんの著書「ノーザンライツ」の大ファンであるが、まさにこの本に登場するパイロットたちが出演していることに大感激した。

 第2次大戦後、アメリカ本土からアラスカへ渡った女性パイロットのシリア・ハンターとジニー・ウッド、そして現役ブッシュ・パイロット ドン・ロスが登場し、星野さんを語る生の声を聴けるのだ。 白い大地の上を飛ぶ白い飛行機のシーンもステキ。そして80歳前後のシリアとジニーが雪の林の中のログ・ハウスからスキーを履いて颯爽と走っていく姿が、本当にきらきら輝いて見えた。 星野さんも彼女たちももうこの世にはいないし、アラスカも変わっていく。 この地球でほんの一瞬しか生きられないちっぽけな人間だけど、彼らのように自分なりに大切に生き終えたいな、と思えてくる。 いつまでもいつまでも見続けたくなる映画だ。

ノーザンライツあちこちで時々、上映会がある(HPで確認できる)し、ちょっと高いけれどDVDも販売されているので、魂揺さぶられるこの映画をぜひお勧めしたい。

 

    by  今日も 「何でこんなに人が多いのか?」と

              ボヤキながら通勤するポッポ

 

 

 

 

「ドリーム」に思わずガッツポーズ (^_-)-☆

ドリーム1   久しぶりに映画を見に行った。 1960年代、アメリカではまだまだ人種差別が酷く、職場もは勿論、トイレもバスの座席も図書館で借りれる本も、白人と分けられていた。そんな時代に、NASAには黒人女性たちによる計算係の部署があり、そこで働く3人の女性たちの夢を追う姿と、宇宙飛行士ジョン・グレンの米国初の地球周回軌道飛行での影の活躍を描いた実話に基づく映画である。

 特に、本物の天才物理・数学者であるキャサリン・ゴーブルはスペース・タスク・グループに抜擢されたものの、理不尽な扱いを受け、耐えながらも、いつも毅然とした態度で真価を発揮し、周囲の評価を得ていく。後にはアポロ、スペースシャトル計画にも携わり、2015年には大統領自由勲章を受章している。

 1980年代、この映画に似たようなこと、もっと小さなことだが日本にもあった。 女性社員ドリーム4の仕事とされるお客へのお茶出し、社員への朝と3時のお茶出し、お昼の電話番、トイレ掃除・・・それと無線対応に忙しい運航管理まで任され、てんてこ舞いする女性パイロットの横で、自分の車を磨く男性パイロットたち・・・。 彼女は3年我慢し、仕事を続けたいからこそ、とうとう他の2人の女性社員と声を上げ、ようやく改善された。

 そう、これは30年前の私だ。 映画の彼女たちも私の場合も当事者が声を上げなければ状況は変わらなかった。キャサリンは腹の底からの声を吐き出していた。なんて清々しいのだろう! そして、一番最後のシーン、宿敵の上司が180°変化したことを表わしているが、正に私が経験した感動の瞬間と同じであった。

ドリーム3 原作は「Hidden Figures」、日本では「ドリーム」として出版されている。 映画では多少脚色されているようだが、本当にパワフルで痛快であった。 また、旧ソ連との競争で、男性たちと同様に残業続きでハードな仕事をする彼女たちを見ると、頭脳だけでなく、やはり体力・気力&サポーターも必要だとよくわかる。あのピリピリした中、「子供のお迎えあるので、お先に~」なんて言えたもんじゃないな・・・と。

 

  by エンドロールの歌を聴きながら気分上々になり、

        ついネックレスを衝動買いしてしまったポッポ      

 

 

 

 

  

MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界

 またまたNHKだが、朝の連続ドラマ「ひよっこ」のタイトルバック

人参のパイロット=キャロット

人参のパイロット=キャロット

を何度見ても注視してしまう。 そこらにある日用品を何かに見立て、ミニチュア人形などを使い作った世界を撮影して、それを毎日欠かさず6年以上、ネットで発表し続けているミニチュア・カメラマンが担当したそうだ。

 その作品展が12日まで新宿高島屋で開催されており、見る機会に恵まれた。 作品自体もよくまあ考えるなあと感心するが、付いているコメントがこれまた面白い。 ユーモアあり、ダジャレありで、たとえば 枝豆のボートに乗った人形であれば「マメに漕げ」といった具合。 毎日 ちまちまこういったものを作り続けるのって楽しいだろうなあ、と思えてしまう。

宙射器

宙射器

展示は間もなく終わってしまうが、ネット展示の「MINIATURE CALENDER」 http://miniature-calendar.com/about/

で全作品を見れるので、ぜひどうぞ。

 

     ポッポ

 

 

 

ターゲット、ロックオン!

ターゲット、ロックオン!

 

トウモロコシ燃料ロケット

トウモロコシ燃料ロケット

 

 

 

 

 

 

”直虎” ショック

  歴史物と言えば、「男の大将」「戦」が定番であるが、今年のNHK大河ドラマ「女城主 直虎」は趣が異なる。 今の時代をも反映する女性リーダーの人生として興味深い。 自分らしく、武力を用いず、知恵とコミュニケーション力を駆使して、周囲を巻き込み、危機を乗り越え、国を統治する様は痛快だ。 

 特に目を引いたのが、井伊直虎の幼馴染で側近の小野政次だ。 彼女との真の信頼関係と俳優の演技が凄くて、回を重ねる毎に見入ってしまうのだが、先週とうとう、政次は国と直虎を守るために、我が身を差し出し、張付けの刑に処されることになった。 度肝を抜かれたのはここからだった。 私があれこれ説明するより、ネットで第33話を検索してもらう方が伝わるので、絵だけにしようと思うが、もう涙でボロボロになってしまった。 しつこく昨日の再放送を見ても同じ。。。 年末の総集編も見逃すものかと思っている。直虎

 この直虎の行動は、どこの世界にもいる近藤康用のような好戦的な悪玉を、戦わずして封じるに最も有効な手段。 直虎の戦国武将としての覚悟を見せる結果となったが、ここまでやらなければならないのか・・・

 さあ、今晩の放送から直虎はどうするのだろう? ああ、あんな政次やアンドレ(ベルサイユの薔薇)のようなサポーターがいてほしい! と願うのは私だけではないだろう。 因みに私の夫は、今年の大河だけはほとんど見ていない。 やはりこの世の中 近藤タイプが多いのかもしれないなあ。。。。。。

     ポッポ

 

 

ジブリのトイレは花園だった

  「三鷹の森ジブリ美術館」へ初めて行った。 

   ジブリ美術館に到着

ジブリ美術館に到着

子供が小さい頃に連れて行きたかったのだが、チケットを取るのが難しく、行きそびれていた。 今や 息子がチケットを取り、私を連れて行ったのだ。

 三鷹駅からジブリバスに乗って約6分、井の頭公園の緑の中におとぎの世界の素敵な建物が現れた。 ワクワクしながら入ると、いきなりアートな世界が広がる。 窓の映画のシーンのステンドグラスや通路、壁も照明も天井も時計の裏に至るまで、絵や装飾、仕掛けがあって楽しさと美しさに溢れている。

レストラン入口

レストラン入口

 特に感心したのがトイレと消火器。 私は生まれて初めて、トイレに住んでもいいと思った。 トイレには絵画や人形、花々が飾られ、個室のドアの一つ一つに異なる花の絵とその名前があり、壁紙やタイルももかわいらしく、花やミツバチが描かれている。 水道の蛇口もレトロな銅製(?)で、この応接間のようなゆったりした空間の中にあるベンチに座って、うっとりとトイレで時間を過ごす。。。

 消火器もただ置いてあるのではない。 木製の消化器置き場に赤い消火器が三つ、その上に鎌や金属製ヘルメットや「火の用心」の文字があって、何ともおしゃれ。 室内の撮影ができないのが残念だが、館主の宮崎駿さんが言うように、撮影よりじっくり見るのが良いだろう。

窓にも誰かが・・・

窓にも誰かが・・・

 この様にすべてが工夫され、手の行き届いた作品であるので、当然 展示やショート・ムービー、図書室、レストラン・・・全部が子供から大人まで、面白くてまったく飽きさせない。 もう、あわわあわわと約3時間廻ったが、まだまだ見切れていないので、半年後に再び、根気よくチケットを取ってねと、息子に頼んでみよう。 

紅の豚 サボイア(ステンドグラス版)一筆書

 

 

by お土産は一筆書にしたポッポ

 

 

絵本「しっぱいなんかこわくない!」

 この絵本の帯には 「NASAの女性宇宙飛行士・ケイトさんが 国際宇宙ステーション61PCC8+bcOL__SX409_BO1,204,203,200_から地球の子供たちへ読み聞かせをした話題の絵本!」 と書かれ、1ページ目には 「せかいいちのエンジニアになりたい女の子、ロージーのおはなし」 とある。ならば、当協会としては紹介せねばならない本だ。

 子供っていうのは、放っておけば とても自由にそれぞれ独創的に育っていくものだと思う。でも、世間とか大人というものが大きく影響を及ぼすために、その子はもしかしたら小さい金太郎飴のようになってしまうかもしれない。読んでそんなことを思った。

 あとがきに、モチーフになったアメリカの有名なポスター 「リベット打ちのロージー」 のことが少し紹介されていた。もともとは戦時中に戦争協力を訴えるのためのポスターとして作成されたものだが、後にフェミニズム運動と結びついて、女性の自立のシンボルとなったそうである。絵本の中に、このロージーや身に付けている物がちょこちょこ描かれているので、探すのも楽しい。

Rosie the Riveter

Rosie the Riveter

 

 もう一つ、このお話は勿論 女の子の背中を押してくれるものだが、ロージーを男の子に置き換えても、そのまま成り立つことに気が付いた。ジェンダー・ギャップについて、日本の1歩も2歩も3歩も先を行くアメリカだからだろうか?

                ポッポ

 

白銀に招かれた♪

  もう待てないと、息子の大学受験が終わると同時に志賀高原へスキーに行ってきた。

横手山から笠ヶ岳(左)と北アルプス(奥)

横手山から笠ヶ岳(左)と北アルプス(奥)

久しぶりだったが、天気も良く、念願の横手山を含め、広い志賀高原エリアをほぼ全部滑ることができた。

 とはいえ、やはり体力の衰えを痛感。事前にスクワットもやっていたのに、すぐに足の筋肉痛に襲われた。 これはヤバイと なるべく緩いコースを選びつつ、立ち止まっては景色に見とれて、カメラのシャッターを押していた。 時々、ジェット機の音が聞こえ、「ヤッホー」と空を見上げると飛んでいる。 こちらも標高6000フィート前後にいるので、案外近いかもと写すがご覧のとおり小さかった。(写真をクリックして拡大してね) 

熊の湯から横手山と飛行機

熊の湯から横手山と飛行機

 くたびれて宿へ帰ると、クラークの老紳士が「ヘトヘトになったときの滑りを覚えると、力の抜けた良い滑りができる」と教えてくれた。 なるほど、力がもう入らない4日目は最高のできだった!

 飛行機の操縦もそう言えばそうだった。 写真撮影飛行では時間が長くなってくると、疲れてきてだんだん手抜きというか、余計なことをせず、省エネモードに変わってくる。 それを良いとは意識しなかったが、案外、緊張を解く鍵であり、ほど良いのかもしれない。 でも、訓練でへとへとになるまでタッチ・アンド・ゴーするって大変じゃない?

寺子屋から飛行機

寺子屋から飛行機

   

 

 

BY 持ち帰った大きな志賀高原ポスターを貼って幸せに浸るポッポ

 

 

キツネがくるりと輪を描いた

 板倉滑空場でグライダー・アクロバット機のフォックスに乗せてもらった。 教官はもちろんブログ用1  この人、今や日本のグライダー、ヒコーキ、へりのトリプル教員のSさんだ。 

 この日はアクシデンタル・スピンとループやロールのアクロの体験で、飛行機の曳航で4000ftくらいまで上がってから、約3分ほどで科目を終えて着陸となる。 グライダーでの事故が絶えない昨今、意図せず自分からスピンへ近づける操作をしていく過程を観察してみるのが第一の目的。

 簡単なレクチャーを受け、10㎏ほどバラストを積み、パラシュートを背負って甲羅を背負う亀のようになり、座ってはギューギューベルトを締めあげる。 「おお、さすがアクロは重々しい・・・」と考える間もなく離陸。 曳航機を追うのも面白く、また遠い山々の白い綿帽子に見とれた。

阿部+櫻井 基本操作を少し習って、「ガン」と操縦桿を引っ張り、「バン」と失速して真下を向く失速をやってから、旋回からの不適切な操作によるスピンを実施。 簡単にスピンに入るが、どうしてもアクシデンタルでなく、手順を踏んでいるので、わざとらしくなってしまう。 もう一度、観察ポイントをよく理解してから体験する必要を感じた。 

 そして、ループやロール、ハンマーヘッドをデモしてもらい、私もループをやらせてもらった。 飛行機と違って、操縦桿がとても軽いため、「グイッと引いて」と言われて引き過ぎた。くるっと小回り、6G(通常の6倍の重力)がかかったループになってしまったらしい。 前席はやや座席が寝ているのであまり感じないが、座席の立った後席のSさんには「ウウッ」という重さだったようだ。背面_ブログ用

 のびのび自由に動かせるというのが、何とも面白く感じた。 そうだ、トンビではないけれど、せっかくパイロットになったのだから、このレッドフォックス号(赤いキツネ)で大きなループを描けるようになりたいな、と思う刺激的な一日だった。 

             ポッポ

私は離陸する

 昨年発行の当協会会報誌「空のワルツ」の取材で、そのパイロットの女性とのお話しや上司の方が作られた飛行場のDVDに何やら心を動かされ、描いた絵だ。

 後日、「女性のパイロットやディスパッチャーが入ることによって、こんなに社内の雰囲気が良くなるとは思ってもみなかった」という上司の方のお話を伺い、本当に嬉しく思ったが、でもそれは、まだ女性がいることが当たり前ではない現状を意味している。 いつの日か、彼女たちが頑張らずとも普通にしていられる環境になることを願いたい。

 「私は離陸するぞ!」と強い意志を持った彼女らを応援しながら、「私も絶好調よ!」と今年は自分に暗示を掛けて乗り切る作戦で行くことにしよう。

      ドルニエ228 離陸(投稿用)ポッポ